新年明けましておめでとうございます。

2024年がスタートしました。コロナの影響を受けない中で新年を迎えることは本当に久しぶりです。しかし世界が平常を取り戻すまでに3年以上を費やしたコロナは、経済以外の思いもよらない部分にも大きな影響を及ぼしています。

特に印象的だったのは、昨年12月に某大学で講義をした時のことです。出席された約250名の学生達の服装の約7割が黒系や茶系の落ち着いた色でした。季節的なものや流行色がそうなのかと思っていたら、教授から周りと違うことに抵抗がある世代であり、また、高校から大学にかけての3年間をオンライン授業や黙食、マスクの着用など制限された生活と共に歩んできているため、なかなか積極的に個性を出したり意見を述べたりすることが難しい世代であるとお話されていました。

また、昨年より小学校のPTA会長として学校や地域に関わる中で、コロナの中で延期されたイベント(市民運動会や夏祭り)などは、復活せずそのまま消滅してしまうものも少なくありません。

積極的な意見が出なかったり、個性が出せなかったり、経験や活動の場がなくなってしまったということは刺激が少なくなったり、刺激そのものが奪われることになります。当然、刺激が少ないと新しいアイデアが生まれず、イノベーションを起こせなかったりするのでこの国の未来にも良くない影響を及ぼします。

このようなコロナの見えない影響を改善していくために何が必要なのかと考えていると、「遊び」ではないかと思うようになりました。先日小学校で執り行われた親子ドッジボール大会で、大人や子ども、そして先生が一緒になって一つのボールで汗を流したり、笑ったり、悔しがったり、泣いたりする姿を見て「とてつもないエネルギー」を感じました。

ヨハン・ホイジンガの著書「ホモ・ルーデンス」で人間は「遊ぶ生き物」であり、遊びの中から文化が生まれたと話されています。遊ぶことが人間らしさであり人間の本質ということです。誰もが過ごした子ども時代のように、遊びに対してワクワク、ドキドキし、普段あまり関わりのない人とも交流したりすることで、刺激的な日常を得て、自分自身と周りの人への活力となるような活動が、コロナの影響を長く受けた世界に必要だと思います。

キャッチボール、キックベース、ゴム跳び、ベーゴマ、スキー・スノーバードなども最近ではどれも特殊な動作になってしまいましたが、あえてこれらのような身近な遊びを通じて脳に刺激と関わる仲間を増やし、そしてその中で自分の強みや個性に焦点を当てて1年を過ごして参りたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。