最近写真集を買った。故土門拳さんの写真集の1つである「土門拳の古寺巡礼」である。写真家土門拳さんを知ったのは、2009年12月に放送された、NHK‐BSハイビジョンプレミアム8という番組の、シリーズ巨匠たちの肖像『仏を睨(にら)む眼 土門拳』という番組である。

それまで土門拳さんについて全く知らなかった。実家でふとテレビをつけた時に放送されていたその番組に心を奪われた。番組の内容は土門拳さんという人物と土門拳さんが撮影した仏像や寺院についてクローズアップされていた。今もそうであるが、仏像や寺院にそれほど興味を持たない僕であるが、土門拳さんが撮影された仏像や寺院の写真は強烈に惹きつけられるものがあり、番組で紹介されていた「三十三間堂内陣 千手観音立像群」(昭和37年撮影)、「平等院鳳凰堂夕焼け」(昭和36年撮影)、「室生寺雪の五重塔全景」(昭和53年撮影)などは鳥肌が立つ凄みのある写真であった。時間が止まるような、写真の中の世界が迫ってくるような鳥肌が立つ衝撃を受けた。この番組を見て、土門拳さんの写真集が欲しいと思い、ようやく手に入れた。

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インターネットが一般的となった現在では、異状なスピードで世界が変化する。また、入手する情報、そして発信する情報などボーダレスかつ、膨大な情報を処理している。このような時代の中で、土門拳さんの写真はシャッターをきった瞬間、時代を超越して強烈に語りかけてくる凄みは強烈で新鮮であった。

 

~追伸~

スポーツの世界でも鳥肌が立つくらいの凄い瞬間というものがあります。僕の場合、印象的だったのはワールドカップサッカーアメリカ大会(1994年)を見た時の瞬間です。中学2年の僕は、サッカーをしたことも全くなく、1993年に開幕したJリーグも全く興味もありませんでしたが、ワールドカップアメリカ大会はクラスの友達とどのチームが優勝するのか賭けていたので割と気にして見ていました。

その時に、僕はブルガリアかルーマニアの優勝を期待していたので、その試合は逃さず見ていました。サッカーを初めてじっくり見ることになりましたが、すぐにサッカーの虜になってしまいました。東欧のマラドーナ、世界最高の10番と言われたルーマニアのMF「ゲオルゲ・ハジ」。強烈な存在感と左足を持つブルガリアのFW「フリスト・ストイチコフ」。

そして最も強烈だったのは、アメリカのDF「マルセロ・バルボア」がグループリーグの対コロンビア戦で見せた、コーナーキックからのボールをダイレクトでオーバーヘッドキックで合わせた瞬間でした。(わずかにゴールからはそれましたが)キャプテン翼の大空翼ようなのオーバヘッドシュートで、こんなプレーができるのかと中学2年生の僕は、初めて鳥肌が立つ瞬間というものを体験しました。未だにこのバルボアのオーバヘッドシュートを越える強烈なオーバーヘッドを見たことがありません。当時録画したビデオは僕の宝物です。