73センチの積雪を記録した12月27日(月)、この日はベトナム人スタッフTさんが29日(水)に帰国のために名古屋でPCR検査を受ける日でしたが、彦根市内は道路、電車、高速道路の全てがストップしたため移動が不可能となり検査が受けられなくなりました。
【積雪73センチの大雪】
【自動車は雪塊に】
翌日28日(火)にPCR検査&当日陰性証明書発行可能な病院の情報を頂きましたが場所は大阪。しかも当日、正午までに現地で受付が条件でありそしてそのままPCR検査を受けなくてはいけません。彦根市内が大雪の影響で大変なことになっているという全国ニュースが放送されている非常事態の中で僅かな望みにかけます。
28日も早朝から追い打ちをかけるように降った雪の影響で朝から高速道路は通行止め、電車も運転見合わせの中で新幹線が何とか遅れながら運転している情報を入手。
会社は大雪のため臨時休業でしたが、10名強の社員さんが有志で会社の雪かきに参集し、その中の一人の車で米原駅までベトナム人スタッフを送り届けてもらいました。
【雪かきの成果】(多分彦根市内で一番きれいに退けた)
僕もお昼から高速道路の通行止めが解除された知らせを受けすぐに車で大阪に向かい、PCR検査を受け陰性証明書を入手したTさんを拾って一緒に空港近くのホテルに移動。近くの大型ショッピングモールでトンカツ&メンチカツディナーを最後の晩餐に楽しみました。
大雪の影響、交通ストップ、PCRのタイムリミットという高いハードルがある中で、PCR検査の情報を提供して頂いた団体職員の方、休業日に有志で雪かきにきていた社員達、家が遠いにも関わらず交通がマヒしている中で自動車で出勤していた社員さんなどのチカラを結集して何とか全てのハードルを越え無事に関西国際空港まで到着することができました。本当に助かりました。
ホッとしたのもつかの間…Tさんのフライト当日はチェックインカウンター周辺では見たこともないレベルの長蛇の列。その99%は技能実習生かと思われます。話を聞くと約300名弱がこの日のフライトでベトナムに向かうとのことです。
【チェックイン前の長蛇の列】(奥から手前までU字の列)
しかし最も強烈だったのは技能実習生が300人規模で関西空港や成田空港から日々出国しているにも関わらず、オミクロン株対策によって逆に日本に入国できる実習生が「0人」という都合の悪い現実です。20代、30代のフレッシュな人材が「流出多数>流入0人」という構図で日本から流出してしまっているというリアルです。
新型コロナウィルスの影響で外部に出る機会が極端に少なくなってしまうことで、急速に変化している世の中や生の情報に触れる機会を致命的に失っている現実。その変化している状況を捉え損ねたり想像力にかけた判断をしてしまわないように関西空港で改めて 気を引き締めることが出来ました。
~追伸~
今回、実習期間を終えベトナムに戻ったTさんはとてもジェントルマンです。コミュニケーションの時には気の利いた切り返し、会社の焼肉パーティーの時も焼いている人やあまり食べていない人にもお肉を進めてくれました。サッカーを愛し、英語も話し、行ったことのない大阪のPCR検査施設へ時間通りにきちんと辿り着いてくれる頼もしいスタッフ。お父さんが大変ご高齢ということもあり3年という短い期間しか一緒に過ごせませんでしたが、一緒に仕事を出来た事を僕は誇りに思います。
Tさんお疲れ様でした。そしてありがとう!!
【Tさんと最後のお別れ】