新年あけましておめでとうございます。

いよいよ新型コロナウィルスが発生して4年目。この激動かつコロナ時代の中で80億を超えた世界人口と対照的に世界最速の少子高齢化社会を迎える日本は正念場です。新型コロナは「まさか」でしたが、それ以外のロシア・ウクライナ戦争や温暖化対策をはじめとした多くの問題や外部環境の変化に対応しなくてはいけません。

しかし、これらの問題はある日突然降って湧いた問題ではなく、数十年以上前からそのリスクが懸念され多くの媒体で発信されていました。その中で先進的だったのが「美味しんぼ」という漫画・アニメです。

美味しんぼは料理漫画ではありますが、食育や食の安全性(自給率・オーガニック、農薬、化学物質・添加物)、環境問題(水資源、土壌、浄化)、エネルギー問題(石油、原発の放射能)、差別(人種差別、性差別、女性の活躍、外国人の活躍、ジェンダーギャップ)、いじめ問題、シングルマザー、DX(スティーブ・ジョブズ、アップル、MAC、インターネット)、日本のアニメ文化など現代に通じる社会問題や話題、その問題の解決策や日本の国力低下に歯止めをかける提言、そして人間の本質、倫理観、自然の摂理やあるべき姿など普遍的な価値について20~30年以上前から発信されており、現在の日本における課題解決のヒントになりそうなものもたくさん記載されています。

その中で特に今の日本に必要な要素として、1996年に発売された第56巻の内容が参考になりました。ヒロインである栗田ゆうこの兄の結婚相手となる人が、3歳年上の連れ子のいるシングルマザーで職業はダンプカーの運転手というものです。「普通」では結婚に反対される要素が満載の2人は、結婚に反対する伯父さんの粗相によって食べられなくなってしまった鯛の刺身を衛生的にも気分的にも解決する料理として鯛のしゃぶしゃぶにして振舞おうとする機転の利いたものでした。最終的に伯父さん夫婦に認めてもらい、2人の関係は祝福されるものになりました。

【美味しんぼ56巻】

また、同じ巻の中に収録されている別の話では、クジラを食べる文化がある日本人、犬を食べる文化圏の人、ヘビを食べる文化圏の人がいる中で、「自分たちの食習慣にない食べ物を異様だと思ってしまう自分の心が異様なんだ」と発言するコマがあります。

女性がダンプカーを運転したり、犬やヘビを食べたりすることは日本では「まわりにそんなやつはいない」と非難されてしまう光景がそこにありますが、ここに日本が復活するためのヒントがあると考えます。「普通」の意味として、「特に変わっていない、ありふれた、当たり前、通常、一般的」という感じで用いられ、日本では多数派の意見が「普通」となっています。しかし「普通」「多数派」でなく圧倒的マイノリティ「少数派」が新しい世界を切り開いていく様子がたくさんこの漫画に描かれています。主人公の山岡士郎や仲違いをしている父親の海原雄山も常識や権威や同調圧力に屈せずにおかしいと思ったことはきちんと発言して自分の意見を伝える、そこには流行や周りの意見に流されず本質を追及・議論するという日本人が最も苦手とする部分が個性として表現されています。

日本の国力が弱まってしまった原因は、普通(多数派主義)であったことではないかと思います。これを打開するには、自分と考え方や価値観の違う人に触れ合い議論を深めて互いに認めたり、新しい価値を作っていくこと、そして日本特有の圧倒的多数が占める「今まではこれが普通」の価値観の中で、真逆の方向に舵を切ることが必要ではないかと強く思うようになりました。

美味しんぼには、人種、生物、考え方などの多様性が重要であること、常識にとらわれない新しい発想、課題や問題について機転を利かして解決する前向きな姿勢、失敗したり壁にぶつかったりしたとしても柔軟に対応すること、たとえ傷ついたとしても強い復元力をもって原状回復する様子が表現され読み手からしてもよく考えさせられると同時にエネルギーが湧いてくるような話が多く存在します。

われわれの会社も普通では面白くないので、今年は本物の多様性(ダイバーシティ)を追及していきたいと思います。昨年8月には新工場が竣工しました。新型コロナが不透明な中で、新工場を建設することは「普通ではなくクレイジーだ」と言われましたが、敢えて建設を進めました。また年初からベトナム人の特定技能者が管理職になり日本人の部下を持つまでになりました。更には事務職のみならず技術職、検査職で20代前半の女性が現場で活躍するようにもなり、国家検定の機械検査技能士(3級)試験を県内1位で通過する者も出てきました。外国人だから、女性だからという見えない壁を壊し始めたことで見えた新しい景色であると思います。

人間界の男女比率は50対50、弊社の社員さんもいつか男性と女性がちょうど半分になってもいいんじゃないかとみんなと違う道を選択しつつ、面白おかしく仕事に取り組んでこの難しい時代を切り開いていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

~ 追伸 ~

12月にスラムダンクの映画「THE FIRST SLAM DUNK」を2回鑑賞しました。懐かしいのと同時に、映画の内容もとても面白かったです。やっぱりパワーあるなぁって感動しました。個性的なキャラクターが化学反応を起こしてさすがです。