2015年は早くも3ヶ月が過ぎてしまいました。わが社はエンドユーザが地方自治体である公官庁向けの下水用バルブの取り扱いも多く、毎年10月から3月頃までは公共事業のからみもあり、年が明けてから3月末までは非常に忙しい時間を過ごしています。何とか年度末を迎えるに至りましたが、スタッフのみんなや購買先さん、外注先さんにはかなりの無理をお願いし、申し訳ない気持ちもあると同時にありがたい気持ちもいっぱいです。3月は取りあえず手法や手段にこだわらずマンパワーで乗り切るという方針を出しました。それに応えてくれて本当に助かります。

 

しかしながら、毎年繁忙期をマンパワーで乗り切るということは心身ともに負荷をかけてしまいます。毎年このような状況の繰り返しは仕方がないと思いつつ、地に足がついた仕事をしなければよい商品は供給することができないので、新年度4月からはわが社のものづくりに対しての仕組みを変えていく時期に来たと猛省する次第です。

 

昨年、滋賀県の草津市にあるオムロンさんの工場見学に伺う機会がありました。体温計や血圧計、各種センサーでよく目にするあのオムロンさんであり、草津工場では駅の券売機や改札機の生産現場も見学させて頂きました。当時見学に伺った時期はオムロンさんの中でも非常に忙しい時期であるとのことでしたが、スタッフの皆さんが忙しさを微塵も感じさせないくらい涼しい顔をして作業をされておられました。その秘訣は何ですかと質問をすると、「スタッフへの教育訓練」「改善活動の積み重ね」という答えでした。当社も「スタッフへの教育訓練」「改善活動」は行っていますが、理念に乏しい表面上の活動から抜け出せていない部分もあります。オムロンさんがこだわっておられたのは「徹底して行う」という部分であり、忙しくてもそうでなくても同じペースでその活動を徹底して行うという部分がオムロンさんの強さの秘訣ではないかと勉強させて頂きました。

 

いよいよ4月で新年度を迎えます(当社は下期を迎えます)。心機一転、新たに体制を整えたく、社内のみならずお客様、購買先様、外注先様の皆様から叱咤激励を頂戴しながら頑張っていきたいと思います。

 

〜 追伸 〜

東日本大震災から4年が経つ3月に、たまたま新聞の中にACジャパンの広告がありました。1971年から現在までにCMや広告で発信されていたメッセージが網羅されている一面広告です。4年前の3月11日、東日本大震災後は特に企業CMが自粛され、ACジャパンのCMに代替されていたことは印象に残っているのではないでしょうか。テレビを見ていたほぼ全ての人が目にしたと思います。当初、あまりにも繰り返しCMが放送されていたので異論も多くあったようです。しかしながらその中で宮澤章二さんと、金子みすゞさんの詩を引用したものは良い意味で印象に残っているのではないかとと思います。

 

当時テレビやラジオで流れていたCM内のメッセージ

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行為の意味

こころはだれにも見えないけれど

こころづかいは見える

思いはだれにも見えないけれど

おもいやりは誰にでも見える

(実際の詩の全文は少し違いますが)

当時ののCM

https://www.youtube.com/watch?v=fkEdeBFMEHM

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人間は優しいこころや思いやりのこころを持っていても、行動に移すことは非常に難しい。

優しやや思いやりは、行動や行為となって初めて意味あるものになるということで「思いを形に」というメッセージが伝えられています。多くの方にシンプルかつ強烈に心に届いたメッセージではないでしょうか。

このCMが流された当時、宮澤章二さんの詩集『行為の意味』を買いました。77編の詩が収められているこの詩集を最近読み返してみると、まさに3月わが社が置かれた状況にぴったりの詩がありました。

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耐える

 

風や雨に 耐える

長い時間に 耐える

全て耐えることの意味の深さ

 

自然は決して急ぎはしない

が終われば 春が来て

草木 おのずから 花ひらき

 

春はまた 次の夏を招き

木々に透明の樹液は流れつづけて

新緑となり 茂る青葉となり

とだえるものなど なにひとつない

 

急ぐことなく 耐えて

耐えながら おのれを鍛えて

そこに初めて開ける 真新しい風景よ

私たち一人一人に 成長の重さを 語れ

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2月から3月にかけて非常にバタバタした中、クレーム案件も散見されました。心が折れそうになる位、へこまされることもありましたが、春を迎えるための必然的な機会あったと思います。