あの東日本大震災から6年が経とうとしています。あの日は遠く離れた彦根でも揺れを感じ、最初はめまいかなと思っていたら関東や東北は大変なことになっていました。

 

震災から間もない3月15日には出張のため中国に行くことが決まっていた僕は関空へ。日に日に明らかになる被害状況、亡くなられた方の数が積みあがる毎日の中で関空もいつもと違う異様な雰囲気でした。

僕自身が最も印象に残っているのが離陸直前の飛行機の中の様子です。この国が大きな悲しみと混乱に包まれている中で「日本から本当に離れてもいいのか」という気持ちの乗客。機内で被災地の惨状を伝える新聞記事を読み、またこのタイミングで日本を離れる辛さに多くの人が泣いていました。 中国に着いてホテルにチェックインをしてテレビをつけると中国国内も報道特別番組を組まれてニュースを流していました。特に日本では放送禁止レベルや配慮が必要な映像まで一部報道されており被災地のリアルな現状に苦しい気持ちで過ごしていたことを記憶しています。

 

先日NHK BS1で放送していた「のぼれ 僕たちの坂道~大槌・夢ハウスの子どもたち~」をたまたま見ました。子どもの夢ハウスは、岩手県大槌町にある震災で家や家族を失った子どもたちや悩んでいる子どもたちを受け止めてあげたいという想いで2013年4月に作業療法士の藤原茂さんによって開所されました。夢ハウスの紹介、子どもたちと藤原さんの喜怒哀楽が詰まった生き様が描かれていました。 親を亡くし、子を亡くし、家や思い出、地域そのものが消えてしまったあの日から子どもたちの悲しみのを背負いながらも力強く成長していく姿に心が締め付けられる思いです。

 

震災から6年が経ち徐々に復興してきたという部分、まだまだ手が付けられていない部分といろいろとあります。町はつくり直されていますが、震災が発生した際に非難ができないようなまちづくり、救助したくてもそれを阻むようなまちづくり、救援物資がとどけられないようなまちづくりでは教訓を生かしきれません。

苦しみや悲しみを背負った子どもたちが明るく笑顔で走る日々が訪れる本当の心の復興に向けて日本全体で盛り上げていかなければと改めて思います。悲しみの振れ幅が大きかった分、その反動分の幸せが巻き起こるような復興が必ず来るように未来の日本や子どもたちに想いを馳せ、日々僕も頑張らなければと思います。