7月16日(火)に滋賀県立大学工学部1年生の皆さんに「バルブと地場産業」というテーマで特別授業をさせて頂きました。これは日本バルブ工業会、そして滋賀バルブ協同組合の取り組みの一環であり今回講師を仰せつかりました。

滋賀県立大学の工学部は機械システム工学科、材料化学学科、電子システム工学科の3つの学科で構成されています。今回、約150名の学生を前に準備段階から力が入りました。僕が来月40歳となる中で18歳、19歳の学生達にどのように伝えようかと悩みながらパワーポイントで資料を作成しました。今回は、「バルブ概論を軸にして、バルブの使用されている分野や場所、バルブの不具合事例、そしてこれから社会に出ていく学生たちへ、企業側から期待することについて講義をさせてもらいました。

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【滋賀県立大学工学部での講義】

 

僕自身も講義をする準備をしてく中で、学び直す部分や改めて再認識するような内容もあります。ちなみによくお客さんから「なぜ彦根バルブが地場産業となっているの」という質問をよく聞きます。

これはバルブ製造業が滋賀県内の地場産業として最大規模の分野であるという理由です。

また、彦根の地場産業は3Bと表現されます。これは、バルブ、仏壇、ブラジャーを示すものです。

彦根仏壇は、江戸時代の中期頃、世の中が泰平の時代へと向かう中で甲冑や鎧、刀などを作っていた職人達の技術を活かして、平和産業である仏壇づくりへと大きく舵をきったことがきっかけとなっています。

ブラジャーは、もともと足袋の縫製という伝統産業がありました。しかし第二次世界大戦を終えて日本人が西洋の文化を取り入れていく中で、足袋の需要減をカバーするためにブラジャーへと舵を切っていったことがきっかけです。

3Bは時代が大きく変化する中で固有の技術や特徴を生かしながら彦根の地場産業となって今に至るということを講義させて頂きました。周辺の環境がすさまじいスピードで変化している現在、地場産業の歴史、変化の方法に学ぶべき点が多くあります。

今回、学生の皆さんに講義をさせてもらう自分自身も大きな学びの機会となりました。まさに教育は共育(ともそだち)であると実感しました。これからも、学生たちの若いエネルギーや感覚、考え方を学び、積極的に関係を深めていきたいと思います。

 

~ 追伸 ~

今回講義で大学に伺った際、学生食堂にランチを食べにきている社会人やちょうど参議院選挙期間中ということもあり期日前投票に来られている人も多々見えました。これから社会に出ていく学生を教育している場所であるので、社会人とコミュニケーションを取る機会や社会に関わっていくということも学べる場所にもっともっとなってもらいたいと思いました。これからの世界や社会に出る若者たちに期待します。