8月21日にイチロー選手が日米通算4,000本安打を記録した。とてつもなく強烈な記録である。この伝説的記録を達成しているのは、タイ・カッブ選手(通算4189安打)とピート・ローズ(通算4256安打)の2人だけであった。イチロー選手は3人目の快挙になるが、今後この4000本安打を達成できる選手は出てこないかもしれないというほどの記録である。

 

イチロー選手のすごさは、プロ意識の高さである。試合への臨み方、体調管理、故障やけがに対する意識。日々の進化、環境への適応力。バットやグローブ、スパイクなどの道具を大事にする。己に課すハードルを常に高くし挑み続ける精神など、どれをとってもこだわりや意識が高い。特に気をつけている点は、試合に常に出て、チームに貢献するという姿勢である。試合や練習への取り組み方や準備の仕方、ストレッチ、走り方、体のメンテナンスなど、イチロー選手は、怪我が発生した時にどのように治すかではなく、徹底的に怪我をしない体作りを意識している。筋肉は必要以上につけるのではなく、関節の可動域や柔軟性に軸足を置いて体作りをしているのである。怪我によって自らのパフォーマンスを発揮できないことで、チームやファン、イチロー選手にあこがれている子ども達に迷惑をかけないためである。

 

イチロー選手の日本での打撃フォームは、記憶に残っている方も多いと思うが、独特の振子打法であった。しかし、メジャーリーグでは、振子打法ではなく、オープンスタンス気味のスタイルに変化した。メジャー独特の間合いや手元で微妙に変化するボール、そしてスピードボールに対応するためである。環境の変化、年齢による体の変化を考慮し、最善解を見出そうとする姿勢はやはりすごい。

イチロー選手の4,000本安打の会見を見ていて印象に残ったことは、成功体験よりも、失敗や悔しい経験に対して、どのように対峙し、どう向き合っていくかのかを大事にしているという部分である。その積み重ねや、反省が日々進化し続けイチローの員骨頂なんだと思う。

 

また、イチロー選手はプロ野球選手というものは、「打つこと、守ること、走ること、考えること全てができる人がプロ野球選手になるものだと思っている。」ということを言っていた。本当のプロフェッショナルとはこのような人間をいうものかと改めて感じた。どれか1つでも欠けてしまえばプロではなくなってしまうという哲学が、40歳を目前に、走・攻・守・考の全て、そして心・技・体の全てが最高の水準にあり続ける秘訣なんだと感じた。

 

会見の中で最も印象に残ったことは、「昔できたことで、今できないことは見当たらない。」と話されていた。世界中の多くの人々が勇気をもらったのではないかと思う。イチロー選手は今年40歳になるが、多くの人を楽しませ、勇気をあたえるヒットを更に積み重ねてほしい。

 

イチロー選手が4,000本安打を達成した翌日22日、あの怪物、松坂大輔選手はメジャーリーグのニューヨーク・メッツと1年契約を結んだ。右ひじを手術してからは、ほとんど活躍の機会が見られなかった。松坂選手もまだ32歳である。苦しい時期が続くかもしれないが、必ず復活を遂げて怪物松坂の姿を見せつけてほしい。

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我が家の観葉植物です。一度枯れたと思いましたが、2、3週間後に新たな芽が出て復活しました。