先日ベトナムに出張に行きました。ベトナムではスケジュールの合間に現地の20歳前後の若者の生活の場や教育の場を見学する機会がありました。日本でも世代間の考え方の違いもかなり大きくなっており、わが社においても特に仕事の教育訓練は試行錯誤の連続です。特に教え方、教えられ方のギャップは非常に大きく極端ですが、「俺の背中を見て…」「仕事のやり方は盗む…」という世代と、「何を教えてくれるんですか…」「マニュアルや手順書はどれですか…」「ネットに載っていますか…」という世代ではかなりの考え方の差があります。

 

僕の世代、1979年生まれは就職氷河期(大卒求人倍率1.33)であり、僕の1年先輩の1978年生まれと2年先輩の1977年生まれは「超就職氷河期世代」(大卒求人倍率はそれぞれ、0.99と1.09)と呼ばれ、働きたくても働けない、非正規雇用なども多く不安定な環境でした。採用をしてもらうにも、就職してから首を切られないようにするためにも、いかに自分をPRし、いい仕事をしていい意味で目立たなければいけない環境で育ってきましたので、「何か仕事はありませんか」「この仕事を教えてくれませんか」と訴えかけて、そして結果を出さなければという危機感もあったと思います。

 

とはいうものの世代間でそれぞれ考え方や特徴がありますが、やはり時代に合わせて(今の若者の感覚なら今の若者の感覚で)いく必要があります。

 

そういう意味では今回、ベトナムで教育訓練をされていた学校は、非常に参考にもなりました。日本の企業でも再確認しないといけない大事な要素であると思います。

それはひと言で表現すると「論と証拠」です。日本のことわざ「論より証拠」ではなく、論と証拠の両輪で納得させ技術を習得させる。論理的なことを座学で学ばせて、実技をトレーナーの人がマンツーマンで指導する。理論通りにやれば、理論通りの結果になるということを身をもって体験させていました。全ての企業や学校でこのようなトレーニングが実施されているとは思いませんが、実際に今回訪問した場所では、リアルにその現場を目の当たりにすることになりました。日本企業でもやれてそうでやれていないことを目の前で実際にやっている光景を見て大変勉強になります。

 

OJTの様子

【OJTの様子】(先輩が後輩に指導中)

 

時間が余ったので20歳そこそこの若者が住んでいる寮も見せてもらいました。寝室、お風呂?というより水を浴びる場所、トイレ…いかに日本が恵まれているということを考えさせられます。

若者に対しての教育訓練とは必要な技能を習得させることと同時に、一人で自立して生きていく力を身につけさせるということでもあるんだなと改めて気づかせてもらいました。これが教育訓練の神髄なのかなと思います。勉強にしても仕事にしてもやり方を学ぶということだけではなく、生きていくための力を習得しなければいけないということを教育していかなくてはと感じます。

 

寮の様子

【寮の部屋】(8~10人の共同生活)

 

(追伸)街を歩いていると親子が石で遊んでいました。伝統的な遊びだとは思いますが、お母さんの手にはスマホが握られています。デジタル化が一気に進む時代。新興国も含めて一気に時代が変化する時代なんだなと改めて考えさせられます。