滋賀県立琵琶湖博物館に行ってきました。琵琶湖博物館は淡水博物館としてかなり良く、毎月第3日曜日は滋賀県民は無料で入館できるので県内の小さな子ども達がいるご家族や、デートでの利用も多いかと思います。博物館内にはオオサンショウオなどの特別天然記念物や貴重な水生生物も。

 

特に驚いたのは、「ハリヨ」と呼ばれる滋賀県東部から岐阜県西濃地方の湧水地で大変水がきれいな場所にしか生息しない淡水魚が展示されていたことです。実は僕は、大学では経済学部ですが、卒業論文は「ハリヨの生態について」というテーマで取り組みました。

 

ハリヨ

【琵琶湖博物館のハリヨ】

 

ハリヨが棲める環境をつくるために大学のゼミで池を作ったりビオトープを整備する活動をしたりしていました。大学4年の夏休みには作った池の藻を取り除く作業もしていたことは今でも懐かしいです。

 

今はバルブ製造業をしていますが、大学卒業まで将来は環境や自然という分野で仕事がしたいと普通に考えてたこともあり、博物館でハリヨが紹介されてテンションが上がりました。しかしながらこのハリヨも環境省のレッドデータブックでは極めて絶滅の可能性が高い種に分類されています。

 

滋賀県民として琵琶湖は非常に身近ですが、最近ではブラックバスやブルーギルを中心とした外来生物が増えたことや、水環境の悪化、さらには元来あった生息地が埋め立てらて住む場所自体がなくなっていまっているという現実もあり在来種の数が激減しています。(8年前までは会社の隣にあった池にも普通にすっぽんが生息していました。)

また生物の住める環境が少なくなっている点も非常に残念です。日本の人口は減少局面に入っているにも関わらず、開発は進みどんどん住宅地も増えていきます。ザリガニ、タニシ、カエルを捕まえる場所もどんどんなくなりました。

 

僕の小学生時代には公害や環境汚染についてのニュースも結構多く、授業でも取り上げられていました。石油も僕が中年を迎える頃には枯渇する試算もあったと思います。しかし環境問題については伝える側も言い疲れしたことや、日本以外の国の強烈な環境問題によって日本国内での意識は薄れ気味の印象です。

企業の環境問題への取り組みは一部の企業を除いてはあまり進んでいません。僕自身もイマイチ取り組みたいことと取り組まなくてはいけないことの整合が図れず腹落ちしない部分もあります。多くの中小企業ではそのジレンマに悩まされているかもしれません。環境問題に取り組むということは、よりよい会社に必要な絶対的な要素でもあると思いますので、何らかの形で取り組んでいきたいと思います。